真っ直ぐな蒼い瞳

     サラサラの髪

     低く甘い声

     色っぽいほくろ


     どこをとっても私の恋人は完璧だ


     「…」


     普通の女なら、腰がくだけちゃってるのかもしれない
     けど私は…自慢してるわけじゃないけど、まだ平気

     耳元で名前を呼ばれるくらいじゃ…決して倒れたりなんかしない…



     「躾、だったな」
     「な…にが?」
     「さっき言ったことだ。、ひとつ質問する」
     「…?」
     「縛るのと、繋がれるの…どっちが好きだ?」


     跡部の悪役顔は見慣れてるけど、
     ここまで楽しそうで意地悪な顔は初めてのような気がする…




     「どっちも嫌」
     「答えになってねぇな。両方か?」
     「やっ、嫌だ!」
     「……どうするかな」


     とりあえず、という声とともにいつの間にやら手にしていた小道具はベッドサイドに片付けられた
     代わりに荒々しく服を脱がされる

     初めての行為に
     初めての跡部の至近距離での息遣いに

     自分の呼吸も少しずつリズムが狂っていくのがわかった





     「気持ちいいか?」
     「…はぁっ…わかんな…い」
     「よさそうだな。女の顔してるぜ?」
     「うそ…」
     「嘘じゃねぇ。いい顔だ…そのまま俺だけを感じてろ」
     「ん…」


     ちゅ、ちゅっと一定のリズムで音が響く
     跡部は胸元に吸い付いてる音

     自然と溢れてくる涙が、体をよじったことによって流れていって、
     視界がいささかクリアになった
     その目で少し下を見やれば、赤い痕がたくさん自分の体へと刻み込まれている



     「それ、何…?」
     「俺のモノだっていう証だ。…こんなもんだろ。さっきの続きだな」
     「やぁっ!」


     敏感なところで動く指やら舌やら
     脚が勝手に動く
     心臓が勝手にドクドク高鳴る
     気付いたらやり場の無かった両腕は跡部の頭を抱え込んでいて、
     跡部の吐息が近くで当たってこそばゆかった



     「気持ちいいか…?」



     二度目

     けれど今度はどことなく憂いをおびたような
     そんなせつない声色



     「言えよ……」
     「やだ…恥ずかしい…」


     また一枚、剥がれてゆく
     肌蹴られて、ちょっと皺にされて
     衣擦れの音が耳を支配する


     「言ったら…ご褒美だ。もっと気持ちよくしてやる」
     「ご褒美…?」
     「縛るのも繋ぐのも止めてやる」


     それは…ないでしょう

     どう考えても私にとって良い交渉だが、

     一時の恥ずかしさは拭えないというわけ


     「言わないのなら、このまま犯す」
     「お、脅し!?」
     「……
     「ひぁっ!!」
     「ここがイイのか?…ならずっとここを舐っててやるよ」
     「やめて…っ。言う、言うからぁ…!」


     項から唇が離されて、
     私はゆっくりと言葉をつむいだ



     「声が小さい」
     「…!?」


     もうやだ、この人
     ホント…困っちゃう…


     「気持ち…イイよ…」
     「……最初から素直になればいい。そうすりゃもっと俺好みの女になるぜ?」
     「悪かったわね」
     「だからこそ、作りがいがってもんがあるんだがな」
     「やんっ!」
     「もう黙れ…極上に気持ちよくしてやるよ…」







     息もつけないほどの甘く深いキスで

     酔いしれて、何もかも消えて、頭の中は真っ白で


     それでも、この快楽から目が覚めたら少しは素直になってみようか


     生まれてきてくれてありがとうって