新聞紙を折りたたんでポストに入れた
もう慣れてしまったこの行為ではあるが、少しずつ冬の訪れを示す朝の空気には少し辛くて
すっかり冷たくなった自分の手に息を吹きかけた
アルバイト三昧・日記
「桑原くんお疲れさま!外寒かったでしょう。
まだ学校まで時間あるし、お茶飲んでったら?」
「あ、すいません。じゃあ頂きます」
新聞配達を終えて、ジャッカルは配達所に戻ってきていた
ジャッカルは配達所の人気者
毎朝こうして誰かに何かを薦めてもらって、登校時間まで過ごす
アルバイトをしている中学生は少ないので何かと大人には気に入られている
配達所の奥に入ると小さなお座敷があって、こたつが出されていた
季節は一応まだ11月の秋なのだが、配達所には一年中こたつが出ていた
配達所の奥さんが仕舞うのを面倒くさがって一年中出っ放し状態なのだ
「お、も終わったのか?牛乳配達」
「うん、まーね。今日は早く終わったの。ジャッカルも早くおこた入りなよ。」
こたつには既に先客がいた
出されたお茶を美味しそうに啜って煎餅をかじっている
彼女の名は
彼女もまたジャッカルと同じくアルバイトをしている勤労中学生である
ジャッカルとの勤める配達所は新聞だけでなく牛乳の配達もしていて
ジャッカルは新聞配達の若手筆頭、は牛乳配達の若手筆頭だった
毎朝会うたびによく知り合って、今は一緒に学校も行っていた
名門である立海大附属の制服を着てアルバイトをしている中学生が
二人もいるなんてある意味この町は希少価値のある町ともいえる
「はい、お茶」
「あぁ、サンキュ」
から湯飲みを受け取って一口啜った
熱いお茶に舌が火傷しそうになっているとの視線を感じた
「ジャッカル、すっごく手冷たいわね」
「ん?あぁ・・・たったいま配達してきたばっかりだからな」
「そうだけど・・・。」
湯飲みを渡した時に触れた手からジャッカルの手の冷たさが伝わったのか
は心配そうにジャッカルを見つめた
大丈夫だ、とでも言うように優しい目で見るとジャッカルはお茶を飲んだ
は心配そうにジャッカルを見つめた
大丈夫だ、とでも言うように優しい目で見るとジャッカルはお茶を飲んだ
「風邪だけはひかないでね」
「わかってるって」
「ジャッカルに会えなくなるのは・・・寂しいから」
ぽつ、と消えそうなほどに小さい声
それでもジャッカルの耳には確実に入った
俯いていて顔は見えなかったものの、の真っ赤に染まった耳は見えた
見え隠れするようなの恋心
自惚れてもいいのかと思うけれど・・・でもそうはいかなくて
こたつから抜け出すとは自分の鞄を取った
「行ってきまーす」
「はい、行ってらっしゃい」
「待てよ!俺も行くって!」
「今日は一人で行くのーっ!」
慌てて鞄を持つとの後を追った
「お茶ご馳走様でした!行ってきます!」
「行ってらっしゃい」
「待てって!!」
ジャッカルの声に振り向く
はにかんだように笑っていたのは気のせいだろうか
そんなことはどっちだっていい
鞄を持ち直してジャッカルは走った