武装警察真選組の部屋には今日もこの声が響く





   ビビるなァァ!!!!!










     「うー…ごめんなさい…」
     「謝るならとっとと覚えやがれ。これ以上は付き合ってやれませんぜ?」
     「…そんなの困りますー…、沖田隊長ぉ…」
     「…はぁ。ほら、さっさとやり直しな。素振りから」
     「っ、は、はい!」


     つい3日前から沖田には可愛い(?)愛弟子がついていた
     名をと云い、つい二週間前に入隊してきた女隊士である
     剣はかろうじて使えるものの、実際の剣技には疎く、
     実戦には向かないタイプ
     しかしそんなタイプで真選組の中で生きていける訳が無い
     ということで真選組の中で一番腕の立つ沖田が指南訳に抜擢された訳である


     沖田の特別演習は毎日4時間続き、の体力はほぼ限界に来ていた
     そんな日が毎日続いたある朝のこと、は本来起きなければいけない時間が来ても
     まだ布団の中で愚図っていた

     「また怒鳴られるしなぁ…」

     サボってしまおうか
     だが心の隅で根性なし!と叫ぶ自分がいる

     そんな葛藤を悶々と繰り返していたとき、
     すっと障子が開かれ、優しい友の声が降ってきた


     「まだ寝てるんですか?さん」


     が来るまで真選組の紅一点だった女中である
     入隊した頃からに優しく接してくれていて、唯一の友達の関係を刻んでいた


     「もう起きないと、総悟の練習に遅れちゃいますよ?」
     「うぅー…起きたくないよぉ、ちゃぁん!!」


     がばぁっと布団を蹴り上げてに抱きつく
     そんなはよしよしと頭を撫でている

     「ねぇ、さん?一つ良いこと教えてあげましょうか?」
     「良い…コト?」
     「はい」
     「聞く!」

     にこっと爽やかな笑みを浮かべるは二つ返事だった
     良い、悪い
     どちらかの判断か分かればは迷わず其方へ行くタイプだ


     「総悟は…さんのこと嫌ってませんよ?」















     「お、おおおおはようございます!沖田隊長!!」
     「…始めるぜィ」
     「はいっ!!」


     ビビるなァァ!!!!!

     今日もその一言は廊下にも、
     の居る台所にも響き渡る

     それでも、今日は何だか心地よく聞こえてきた


     (私にもまだ望みはあるってことね!)

     不器用な淡い恋心を抱いた
     小さな小さな少女のお話