立派な庭
趣のある門構え
加えて瓦屋根の純和風な家の前で、
毎度お馴染み、万事屋三人トリオは呆然と立っていた
「…あの、銀さん」
沈黙を破るのも失礼になるような豪邸を前に、新八がボソボソと話しだす
「インターホン、押さないんですか?」
すっと指差した先にはインターホン
そしてそのちょっと上には沖田、という表札がかかっている
「駄目アル、新八。銀ちゃん今ショック受けてるネ」
がくがく、と神楽の物凄い力で引っ張られても動じない
ただただピクピクと体を震わせながら、
「それは無いだろ…沖田くん…
あの歳でさァ…社会なめきって生きてきた君が?
何で結婚したからってこんな立派な家に住んでんだァァ!!!」
と叫んでいた
家族計画
「そりゃあ失礼ですぜ。俺ァ、旦那よりは社会見て生きてきやした」
「どこが、どの辺が、どういう風にだよ!」
「銀さんってば、ちょっと落ち着いてくださいよ…」
「落ち着いてられるかっての!家主これだよ?
着物の前肌蹴てダラーンだよ?前ちゃんとしめなさい!全く近頃の若いモンは…」
「休みの日にお邪魔しますで来たのはそっちでしょーが。
俺ァせっかくの休日を可愛い奥さんと子どもと過ごすつもりだったんですぜ?」
ギラン、と光る沖田の目はマジで
真っ先に危険を察知した新八が急いで目をそらしたのは無理も無い
「すすすすみません!沖田さん。
あの…僕らお金無くて沖田さんに中々結婚祝い渡せなかったんで…
それを渡しに来たんですよ。ね、ね!?銀さん!」
「そーだ。まー、不快だが一応礼儀としてな」
「本当…すみません、銀さん」
襖が開いて入って来たのは
銀時たちと顔見知りであるが、
今ではすっかりと奥方業が身についているような風貌だった
のんびりだった雰囲気は柔らかな物腰に変わり、
そのの後ろからは最近歩けるようになった娘が顔を見せている
「あ、さん。可愛いですね!娘さん…ちゃんでしたっけ?」
「はい。ほら、?ご挨拶しなさい…」
「うー…あう…」
「まぁ賢い!挨拶出来たねー!」
「さすが俺の娘でさァ」
許されるならば、
どこが、どの辺がと問いたい
「ってことで旦那方。俺の最愛の奥さんと子どもも見たことですし。
帰ってくだせェ」
「そ、総悟!せっかく来てくださったのにそんな言い方しちゃ失礼だよ…」
「あーもういーって。これ以上クソ甘ったるい家にいたかねーし。
そろそろ帰る」
「そいつァいいや。旦那にしちゃあ気が利いてますねィ」
「はいはい。帰るぞ、新八、神楽!」
に何やらよからぬことを吹き込もうとしている神楽を引っつかみ、
銀時は新八と一緒に出て行った
見送りを、と立ち上がるだが腕をつかまれる
振り向けば娘がうとうとと眠りにつこうとしていた
「あ、が…」
「旦那も見送りなんざしていらねーでしょう。
、寝かしつけたほうが良さそうですねィ。
もう昼寝の時間、とっくに過ぎてますぜ」
「そうだね…、お父さんに抱っこしてもらおうか?」
「ん…」
鬼をも目を細めてしまうであろう愛らしい仕草に
お互い微笑みつつ、沖田はを抱き上げた
を寝かせ、しばらく団扇で風を送ってやる
そうしているなんでもない時間が沖田にとってはすごく嬉しくて、
言い訳なんて考えることもなく当たり前のようにを抱きしめていた
「総悟…?」
しばらく抱きしめられるがまま
風の音だけが微かに響く
「そ…ッ」
「しーっ。が起きちまいますぜ?」
「じゃあ…や、止めて?」
「無理でさァ。何か…抑え、利かなくなりやした…」
しゅるしゅると帯が解けていく音
懸命に首を横に振れば優しい口付けが降ってきて、
同時に抱き上げられ、少しずつ隣の部屋へ移動していく
「じゃ…頂きやす」
にこっという沖田の笑顔を見たときは
すでに自分たちの寝室の布団の上で
は覚悟を決めるしかないのだった