雲ひとつないある午後のこと
    町から外れた丘で沖田とは大木の下にて
    ささやかな涼を楽しんでいた

    日差しは殆ど夏のものであるが
    この大木の下は涼しく、今は時間帯としても夕方で
    徐々に暑さがマシになっているのと相まって快適な空間だった

    「
    「?…なに、」

    呼ばれて振り返れば沈んでいく夕日が眩しくて思わず目を瞑った
    と同時にその隙をついて沖田にキスされる
    やわらかく、優しいキスがしばらく続いていた

    「どしたの…?」
    「いーや、なんとなく、でさァ。
     理由がなきゃキスしちゃダメですかィ?」
    「…そんなことないけど///」
    「真っ赤でさァ」
    「…///ゆ、夕日のせい」


    夕日のほうを指差しては言った
    苦し紛れの言い訳で沖田に通用しないことは分かっていてもやはり言ってしまう


    「なぁ、?」
    「ん…?」
    「偶には、の方からキスしてみてくれませんかィ?」














    羽のように軽くて柔らかい感触と
    まるで雲の上に浮いているような感覚
    長い長いキスはしばらくすると濃厚なものへと変えられて
    ついていくのに精一杯になった

    は鼻がかった自分の声が出ていることなど忘れて、
    時たま聞こえてくる沖田の「ん」という声を聞いてなんだか恥ずかしくなり、
    沖田の隊服の裾を握る力を強めた


    「ねぇ、総悟って…私からキスするした時に
     『ん』っていうのって癖?」
    「おや…それを言うならなら毎度のように言ってますぜ」
    「い、言ってないよ!そんなの!///」
    「いーや、言ってますぜ。それから俺は言ってやせん」
    「な、何それ!言ってるってば!」


    そうして仲良く口論していられるのもつかの間
    土方から早く帰って来いという電話が来るまで後数秒のこと









   「ん」という甘い癖