はしぶしぶ靴を脱いで試着室に入った
最初にブラウスとスカートを試着しようと服を脱ぎ、手早く着替えた
試着を終えて外に出ると絶対に次の服が待っていそうな予感がしたからだ
スカートのチャックを閉めようとファスナーを指で上げようとすると、は異常を感じた
(・・・!し、閉まらない!)
絶対絶命のピンチ
普段からこのサイズはピッタリ合っている
外には、おそらく偉そうな格好で座って待っている跡部
そして遅い自分を心配してか声をかけてくる店員
(ど、どうしよう・・・!)
は極限状態まで考えると手早くブラウスとスカートを脱いで
もう一着のワンピースを着ることにした
「景吾・・・」
「あぁ、着替え終わったか。・・・ほう、中々だな」
ワンピースの裾を掴んで、少し上げながら跡部が言った
待ち人専用の椅子で偉そうに座っていたらしい
「よし、もういいぞ。もうひとつのやつを着て来い」
「あ、あれなんだけどね・・・」
「アーン?」
は跡部から少し目をそらせると小さな声でつぶやくようにして言った
「あの服ね・・・そのイメージとちょっと違うっていうか・・・」
「・・・何言ってやがる。さっきはあんなに喜んでたじゃねぇか」
「で、でもやっぱり気が変わっちゃって・・・。」
「・・・・・・そうか。おい、買うのはこれだけだ」
「お買い上げ、ありがとうございます!」
荷物を執事に頼むと跡部はを引っ張っていった
少しずつ早くなる歩みには跡部が怒っているのかと気が気ではなかった
バレたくない、けれど跡部が問いただしたら絶対に言ってしまう
少しずつ大きくなってくる悩みとそして何より太ったということが恥ずかしくてならなかった
「ね、景吾。怒ってるの?」
「・・・怒ってねぇ」
「あ、あのね!気にいらなかたって訳じゃないんだよ?」
「じゃあ、何でイメージが違うとか言ったんだ」
ようやく跡部が歩みを止めてくれた
でも、状況は益々悪くなっただけ
「・・・えと(汗)」
「俺様に嘘つけると思ってんのか?」
「・・・思ってません」
「解ってるじゃねぇか」
くっと喉で笑う跡部を見ては蚊の鳴くような声で話し始めた
「太った?」
「そう。スカートが、入らなかったの・・・!」
「そんなことかよ・・・」
「そんなことってあんたねぇ・・・」
あたしにとっては真剣な悩みなのに、と零す
跡部は鼻で笑うとの手を引いて元来た道を引き返した
「ならもう1つ上のサイズを買やぁいいだろうが。行くぞ」
「ま、待って!あれは、あたしが痩せた時に買うから!だからどうせ買うならあのサイズで・・・」
「別に良いが、そこまでして痩せなくてもいいだろうが」
「あのね、あたしは跡部景吾の奥さんなんだよ?」
跡部景吾の妻となったからには、死ぬまで綺麗でいなければならない
スタイルにおいても、物腰においても、何もかも
「絶対元に戻るから。」
「・・・解った。期待して待っとくぜ?」
その日の夕方、部屋にはスカートの入った箱が届けられた
それを見ながらダイエット計画を練ったなのでした
☆あとがき
始めて跡部のことをヒロインに景吾と呼ばせた一品
跡部は何故か未来夢も思いつけちゃう脳細胞