ドS筆頭の幼馴染の総悟と友だちの
                そして明らかに巻き込まれた感が否めない良い人の海さん

                匂う、何かが匂う
                いや、別に探偵でもないけど…

                とりあえず、調べてみますか…

                目標は、銀魂高校保険医の高杉晋助先生…!










                
素直な良い子の作り方.2










                「妖しい…」


                真っ白な清潔感漂う保健室
                見てくれはそうだけど、そこに住む宿主は間反対の生き物だ
                それは私自身よく知っていた

                ドアの前に『仕事中、邪魔するな』
                と掲げられたプレートはいかにも妖しい


                「先生っ」


                最初は遠慮がちに、けれど気遣う自分が何となく情けなく思えて最後の方は借金取りみたいにドアを叩いた
                しばらくしてだるそうな返事が聞こえてくる


                「か、入れ」
                「失礼しま…っ!」


                ドアを開けるタイミングが一緒だったのか、中から飛び出してきた女の子とぶつかった
                まだ幼さの残る外見からして相手は1年生の女の子だろう
                助け起こそうと手を伸ばすがひっぱたかれてしまい、大きな二つの瞳に睨まれた


                「あなたなんかに助けてもらいたくないっ」
                「……あの、話ガヨメナインデスガ」
                「先生のばかっ!何よ、私よりこんな人を…っ」
                「俺の趣味にお前が口出しすることかよ。とっとと失せろ」
                「…っ!!」


                うわ、ひでぇな…
                思わずそう零してしまうほど女子生徒の泣きっぷりは凄かった
                駆け出していったものの、遥か彼方の方から絶叫とも泣き声とも言えぬものがコールしてくる


                「何ぼーっとしてんだァ?入れ」
                「あ、はい…」


                ぴっちりとドアを閉めると、高杉はいつもの椅子に腰を掛けた
                くいくい、と指で合図をされて慌ててドアの鍵を締める
                先生と居るときはドアに鍵を締めるのが鉄則だ
                勿論こんなルールは高杉先生とだけで、こんなルールを作ったのもおそらく高杉先生だけ
                それでもこのルールをずっと守ってきたような気がする
                今年で三年目の付き合いになるけれど、もっと前からの知り合いだったんじゃないだろうか


                「…せんせ、」
                「ァア?」
                「また…こういうことして…」


                ベッドの脇に落ちているリボン
                それは明らかにここ銀魂高校女子生徒用セーラー服のリボンだ
                これがここに落ちているということは…
                さっき出て行った女子生徒と照らし合わせてもほとんど間違いない


                「この…
変態
                「ククッ…何とでも言え」
                「絶対捕まるよ、あんた。というか絶対捕まる」
                「同じ意味だろーが、無駄に繰り返すんじゃねェ」
                「女の子喰ってばっかで…この
変態
                「それも二回目だぞ」


                高杉先生の吐いた煙草の煙が目に沁みた
                握っていたリボンを手渡せば眉がぴくりと反応を示し、ククッと喉で笑う声が聞こえた


                「好きにしろ」
                「これを…私に…どうしろと…!」
                「いらねぇなら捨てときゃいいだろ」


                捨てる、という決断は出来なくて何となくポケットに押し込んでしまった
                いつかは返せるだろうなんて甘い考えがどこかにひっかかていたのかもしれない
                無論、99.999…%の確率で無理だろうけど


                「先生、SOS同好会って知ってる?」
                「………知らねェ」
                「今、明らかに目逸らしたでしょ」


                わかりやすすぎる
                これだけ大人な雰囲気、というか妖しい雰囲気をもっているくせに、
                こういうところでは妙に子どもっぽい
                そこが可愛いな、とか思ったりするんだけど…


                「総悟が、たちと何かたくらんでるのっ。
                 そこに先生の名前が出てた。知らないとは言わせないわ…」
                「知らねェと言ったら知らねェ!」
                「…子どもかアンタは」
                「いいから、要件はそれだけか?」


                今度は不機嫌になる
                ほんとに小さい子どもみたいだ

                乱暴に吸殻を灰皿に押し付けているあたり、もうこれ以上は何も話してくれないんだろう

                出直そう
                そう思ってドアの鍵を外したとき、耳たぶに柔らかい感触がはしった
                ぎょっとして振り向くと変態教師が私を抱き締めている
                いや、変態教師なんだから、襲おうとしているのが正しいかも


                「抱いてねェ」
                「……わかってます」
                「俺が欲しい体は、これだけだ…」
                「
絶対にあげませんよ
                「ククッ…わかりきったこと言うな」


                離れていった温もり
                少し名残惜しいと感じてしまう自分をどうにかしたくて、ドアを乱暴に開いた


                「じゃあね、変態」
                「次来るときまでにはその生意気な口直しとけよ」
                「善処しまーす」



                普通じゃない

                そう感じていた

                けれどこれが私の普通


                「結局何にもわかんなかったな…」


                とぼとぼ、と廊下を歩いていると
                また人影がさす


                「一体どこに行ってたんでィ。俺は教室で待っててやったんですぜィ」


                二人分の鞄を持った総悟が立っていた


                「野暮用…っ。ありがと」


                鞄を受け取って、総悟の後に続く

                帰り道も総悟は上機嫌

                明日になったら聞いてみよう

                今は…自分の心に嘘をついている自分を出したくないから















                アトガキ

                煙草か煙管で悩みました(笑)
                でも煙草かなーと思って。 ハイ、高杉先生の登場話でした…。
                ここからはもうグ〜ラグ〜ラ揺れていきますよ…♪