梅雨夢企画
                     テニスの王子様 〜ジャッカル桑原〜

















                「ジャッカル、ジャッカル、ジャッカルー!」
                「何度も呼ばなくても解る。どうしたんだ、
                「ほわー、さすがジャッカル!」



               の気の抜けた声に鞄を落としそうになったが、何とか堪えて
               ジャッカルはを見つめた



               「お前、この雨の中プールで泳いで来たのか?」
               「んな訳ないでしょ…」



               ぽた、ぽたとの黒髪から滴る雫
               それを絞りながらがジャッカルをきっと睨んだ



               「帰れると思ったんだよねぇ…、これぐらいの雨」
               「…どこがだ」



               窓の外を指差すとが息だけで笑った
               外は雷が轟き始め、豪雨の様子
               いくつかのカップルたちがイチャつきながら相合傘をしていた

               はよく明らかに無理をする
                この間は部室で大量のボールを磨きながら足で雑巾を扱い、部室の掃除をしていた
                当然、真田に怒られ、ぶつぶつと文句を言っていたが…


               「今日、夕食当番なのよ。さっさと帰らないと大変なの!」
               「俺に当たるなよ…」
               「だって、ジャッカル立海のみんなのカウンセラーでしょ?」
               「違ぇよ。普通に違う!」


               立海テニス部のお悩み相談室室長としてこの世に君臨しているといっても過言ではない
               また、ツッコミタイプとしても頼りになる存在でもあるのだ


               「で、ジャッカル先生。私のお悩み聞いて?」
               「…その先生ってのやめたら聞いてやる」


               長話になりそうな雰囲気にジャッカルは鞄を廊下の隅に置いた
               その行為が聞いてやる、ということを現していては顔を綻ばせた


               「あのね、噂で聞いたんだけど」
               「ストップ」


               もが、と口をジャッカルの大きな手に覆われては強制的に口ごもった
               上目遣いに彼の様子を見るとため息をついてこちらを見ている


               「その噂は誰から流れたんだ」
               「えーとね、ブン太」
               「…やっぱりな」


               またしても自分の噂を丸井に流されている
               慣れたものだが、改めて知るとやはり辛いものがあるらしい


               「ジャッカルって、予備用に傘五本持ってるってホント?」
               「…持ってる訳ないだろ」


               えぇ!?とが声をもらし、ジャッカルは顔をしかめた
               噂を流した丸井にではなく、それを信じたに対して


               「傘は一本で十分だ」
               「ジャッカルだったらクラスで困ってるおとなしめの女の子とかに貸してそうじゃん」
               「そりゃあお前…」



               確かにそういうときもあった
               次の日、その子と噂が流れたのであの時は大変だった…。

               テニス部の皆には散々からかわれ
               真田からはたるんどる、の一言
               そして何より、から冷たい視線を受けた

               ジャッカルはひそかにに惹かれていた
               気持ちを伝える、ということはなかったが
               通じ合っているような関係だった



               「お前、解ってて言ってるのか?」
               「何が?」



               なりに気をつかったのだろうか
               遠慮がちに上目遣いでこちらを見ている



               「だから…」
               「ね、帰ろっか」



               言葉を遮られたことに文句を言おうと口を開きかけて、閉じた
               その時見たの表情は、いつまでも見ていたかった

                真っ直ぐに自分の目を見つめる彼女
                ゆっくりと、人差し指が口元にあてられて
                長めの髪がその仕種に合わせて揺れた


               「ジャッカルの告白は帰り道に聞くから!」
               「なっ…!」


               早々と立ち去っていく
               とっさに見えた彼女の頬に赤みがさしていて
               ジャッカルは小さく笑って後を追った






          ☆あとがき

          ジャッカル〜!半端でごめん(笑)
          ただ苦労してそうなジャッカルを書きたかっただけ…!
          でも思ってたよりもジャッカルが書きにくかったですよ…。
          う〜ん、純な人なのかな、私の中のジャッカルは。