梅雨夢企画
テニスの王子様 〜鳳 長太郎〜
「あ、やっぱり雨降ってきちゃったねー。」
は長太郎のベッドに腰掛けながら窓を見つめていた
その言葉に隣に座っていた長太郎が小さく頷いた
「こればっかりは仕方ないですよ。じゃ、今日どうしますか?」
今日は久しぶりに二人で過ごせることになった土曜日
動物園に出掛ける予定だったが、この雨だとおそらく休みだろう
いわゆる特に行くところがない状態になってしまい、は小さく溜め息をついた
「今日、長太郎の家誰もいないんだよね?」
「はい。夜まで帰って来ないみたいですよ」
「じゃ、長太郎の家でゆっくりさせてもらおうかなっ。いい?」
「…はは、良いですよ」
ぽふ、とは傍にあったクッションを抱きしめた
柔らかいその感触に眠気の波が少し襲ってきたが、ここは我慢
「俺、お茶でも淹れてきますね?」
「あ、ありがとー。」
長太郎は後ろ手で扉を閉めて出て行った
主が不在の部屋はどこかガランとしていて、それでも彼の雰囲気が漂う部屋にいると一人でも寂しくなかった
はベッドに横たわっていたクッションを元の位置に戻した
脳裏に先日忍足から聞かされた言葉がふいに甦ってきたのだ
『えぇ?そうなの?』
『せやで。男はみーんなそんなもんや』
『違うよ。長太郎は絶対そんなことないもん!』
『アホ、あないにすくすく育ってる少年は健全に決まってるやろ』
『当たり前でしょ!あんなに爽やかなんだから健全に決まって…』
『せやから、そういうことするのが男社会では普通なんや。とにかく、一回確認してみい。弱み握れるで?』
妖しく笑った忍足を見つめては納得いかない、と首を傾げた。
そっとベッドに横たわっていた体を元に戻して床に座りなおした
扉を見つめると階段を上る音も扉が開くような音も今は聞こえない
はこくりと生唾を飲み込んでベッドカバーをめくった
そろりと中を覗き込むと特に何も無かった
ベッドの下なんて埃だらけだろうと思っていたのに塵1つ見当たらない
「なーんだ」
「何を捜してるんですか?」
「きゃあっ!」
ゆっくりと振り向くとそこには盆を持った長太郎が立っていた
のしていた行動が全くわからないと首をひねりながらテーブルに盆を置いた
「あのね、この間忍足が…」
「ちょっと待って下さい」
ストップと言った長太郎につられては指示通り黙り込んだ
長太郎の顔を見ると少しずつ頬が赤に染まっていく
「先輩が忍足先輩のことを言うときはいつもロクでもないことに過ぎません。言わないでください」
「えー、じゃあ長太郎もやっぱりイケナイ本ベッドの下に隠してるの?」
は?
「あ、あるわけないでしょう!何言ってるんですか!//////」
「あ、赤くなってる。妖しい…」
「なっ、先輩が恥ずかしいこと言うからですよ!」
耳まで赤くなる長太郎を見てはくすりと笑みを漏らした
そしてさらに長太郎が固まるような言葉を口にした
「長太郎もただのワンコじゃなかったのねー・・・」
「・・・・・・・・・」
「あれ、長太郎?」
どうしたの、と顔を覗き込むと体が一気に反転した
気がつけば自分の体は長太郎のベッドに、そして長太郎が馬乗りになっている
「俺が、犬じゃないってこと、わからせてあげましょうか?」
「え、いや。いいです・・・」
「そう遠慮しないで下さい、先輩」
爽やかに笑った長太郎
しかしその笑顔さえもにとっては恐ろしいものの1つでしかなかった
☆あとがき
初めてちょっと黒い長太郎くんを書いてみました。
中々に面白かった…!
しかし、この主人公は恥じらいというものがないのか?