梅雨夢企画
                    テニスの王子様 〜宍戸 亮〜















               「何、やってんだ?
               「あ、宍戸…。」

               宍戸は目を疑った
               目の前の人物に。

               テニス部の部室の椅子で小さく身を縮こませている少女を見た。










               「お、跡部。見てねぇか?」

               放課後、雨が激しく降っている廊下を見ていると、黄色い歓声とともに樺地を横に連れた跡部がやってきた
               不意に宍戸からのことを聞かれるのにはなれた跡部は言った

               「いーや、見てねぇな。部室じゃねぇのか?」
               「こんな雨の日にか?今日は練習休みなんだろ?」
               「あぁ。ぶーぶー文句を言われて能率が落ちたら困るからな」

               眉をひそめる跡部を見てコイツも影で苦労してるなぁ、と宍戸は思った
               跡部はフンと鼻をならすと片手をあげて去っていった
               いちいちキザな態度をとって去っていく跡部
               それを見て宍戸は小さくため息をつくと階段を降りていった

               校舎にわりかし近い位置にある男子テニス部の部室
               雨にうたれて光っているテニスコートを見やってドアノブを回した

               そして今に至る

               「し、宍戸ぉっ!」
               「いでっ!な、何だよ!」

               勢いよく抱きついてきた
               勢いのあまり壁で宍戸が頭を打ったことも気にとめずは続けた

               「良かったぁ、宍戸が来てくれて…」
               「なっ///何言って…」

               近くでの柔らかな笑顔を見ると自然と顔が赤らんでいくのがわかった
               こちらに体重を預けてくるということも原因の一つだ

               「宍戸、お願い。しばらくこのままでいて、ね?」

               宍戸が返事をする前に、彼の首にの腕が回された
               ぴったりと、は宍戸の腕の中にいる

               「どうしたんだよ…?」

               ようやく落ち着いたのか、宍戸が言った
               の肩が震えているのに気づいて、の声が震えているのに気づいて。

               は何も言わずに首を振っていた
               しばらくして、ゴロゴロという音が聞こえてきた
               の腕の力が強まったような気がした

               あぁ、そうか
               と全てを悟った宍戸
               次の瞬間耳鳴りに悩まされた

               「いやぁーっ!」
               「…ったく、雷ごときでビビるなよ」

               よしよし、と頭を撫でてやると彼女の腕の力が少し弱まった気がした
               雷雲が去るのはいつだろうと思考をめぐらしながら目に映っているの肩を見ると
               相変わらず震えていて

               ―――――愛おしくなった
               男の、性だろうか

               それとも、少しずつ彼女に惹かれているから?



               「わっかんねぇな。」

               ぼそりと宍戸が呟くとがゆっくりと体を離した
               の瞳には涙がたまっており、濡れて光っていた

               「…何が?」
               「お前がだよ」

               宍戸の指がの涙を優しく拭っていく
               くすぐったそうにその行為を受けて入れているの表情は柔らかかった

               「で、お前はいつまでこうしてるんだよ?」
               「え、いいじゃない。別に」

               は悪戯っぽく笑うともう一度宍戸に身を寄せた

               「宍戸って、なんかお兄ちゃんみたいだね」

               は?

               そういわれた瞬間いくつも?マークがとんだような気がした
               宍戸は眉をひそめてぼそりと呟いた

               「こんなに手のかかる妹、いらねーよ」





               その言葉をきっかけにするように、二人からあがる小さな笑い声
               恋人でも何でもないのに笑いあえる、たまに高鳴る心臓





               そんな僕らの関係は、まさに友達以上恋人未満だった










          ☆あとがき

          宍戸さんはやっぱりこういう淡い恋物語が似合うと思う。そりゃあもう激しく似合うと思う
          最近は宍戸さんを本気の本気で兄貴に欲しくなり、ヤバい私
          宍戸さんみたいなお兄さん、欲しいですよねー。