梅雨夢企画
テニスの王子様 〜柳 蓮二〜
―――――六月
梅雨の時期真っ盛りを迎えた立海だ附属に巨大な雨雲がやってきた
突然降ってきた雨に生徒たちは中々帰ることも出来ず、テニス部の部員たちもそうだった
立海大附属三年の柳蓮二は、体育館でのテニス部の練習を終えると、廊下を歩いていた
柳が目指しているのは、図書室だった
そこには図書委員長の がいる
二年の半ばから学年でも公認の仲となったと柳
彼氏彼女となったその日から喧嘩をしたことは一度もないという超おだやかカップル
そして、学校の帰りは毎日帰路を共にしていた
「、終わったぞ」
「あ、蓮二。お疲れ様―」
柳が図書室に入るとは数冊の本を机に置いた
どうやら本の整理中だったらしい
「ん?、一人か?」
「えぇ。今日は珍しく誰もお客さんが来ないのよ、雨なのに珍しいなーって思ってて…」
立海大附属の図書室はいつも混雑していた
それというのも柳の前にいるのせい
彼女は、誰もが振り返るほどの立海一の美少女だった
が目当てで図書室にやってくる男子生徒は数知れず、人だかりがいつも出来ていた
その図書室に誰もいないなんて、おかしすぎる
しかも、今日は雨が降っている
雨の日は読書が目当ての人が多いのだ
「座ったら?」
「あぁ、そうだな。」
手近な椅子に腰を落ち着かせての方を見るとその視線に気づいてが微笑んだ
おだやかな空気が流れ始めたとき、ゴロゴロという音が聞こえてきた
「い、今の…、か、か、雷みたいじゃなかった…?」
「そうだな、雷だな」
「れ、冷静に言わないでよ…」
の言葉が終わるやいなや、大きな雷鳴が轟いた
「きゃあっ!」
「ふむ…、中々音が近いな。落ちるか?」
「きゃあ、きゃあ、きゃああっ!!」
柳は錯乱して抱きついてくるの背中を撫でながら言った
彼女が雷が苦手ということは知っていたし、柳が雷を分析するのもいつものことだった。
ビシャーン!と一番大きな音が響いた
「ぎゃああああっ!!!」
「落ちたな」
それ以来、雷の音は少しずつ小さくなり、止んだ
の肩は小刻みに震えており、柳の服をしっかりと掴んでいた
それを見て柳はが愛おしくなり、の背を撫でる手を休ませることはなかった
その行為がの恐怖心を少しずつはらっていく
の肩がゆっくりと動いて柳の瞳にの顔が映った
「もう、大丈夫よね…?」
「あぁ、恐らく通り雨だろう。もう雷が鳴る心配はない」
「はぁ…、良かったぁ…」
柳から離れると椅子を引き寄せて柳の傍に座った
尚も自身の頭を撫でてくれている柳の手が温かくて、安心できた
「そうだ、蓮二。ちょっと目、つぶって?」
「なんだ?」
「いいから!」
「俺はもとからつむっているが?」
「あ、そっか…。じゃなくて!」
柳は小さく笑みを零すと目を瞑った
しばらくして、唇に柔らかい感触
離れた後、ゆっくりと目を開くとの顔があった
「お誕生日おめでとう、蓮二」
「…?あぁ、覚えていたのか」
柳は嬉しそうにを見た
自分からは絶対にすることのなかった
「先ほどまで雷に怯えていたものとは思えないほどの大胆さだな?」
「あ、あはは…///」
はゆっくりと瞬きをして柳を見つめた
「蓮二、ありがちだけど、生まれてきてくれてありがとね」
「…あぁ」
再び重なった二つの唇
もう少し後に雷がまたとどろいて、悲鳴があがるのも時間のうち…。
☆あとがき
誕生日おめでとうございます、柳さん!
捧げる小説がメチャクチャでごめんなさい!
雷に怯えるヒロインをあやしながら落雷の確率を考えている柳さんが書きたくて…!
生まれてきてくれてありがとうってすごい暖かい言葉ですよね。
ありがちだけど、私は大好きです
自分の存在を相手に認めてもらえるってすごく嬉しいことじゃないですか
お誕生日は自分の存在理由をはっきりさせるための日なのかもしれませんね
Happy Birthday! Dear Yanagi Renji!
2006.06.04