『宍戸、宍戸の教科書…だよね?』
『あぁ…っどこにあった…!?ずっと探してたんだよ…っ』
『さっきの休み時間、芥川くんが返しに来たけど』
初めて話したときを覚えてる?
妙に慌てたあなたがおかしくて、目つきの悪い風貌とのギャップを知った
『俺、お前のこと好きだから…』
『あ、ありがと…。私もね…あの、好き…』
『…っ。じゃ、じゃあ付き合う…か?』
『う…ん。い、良いよ』
重ねた日々は少ないのに、想いを馳せた日々は長く感じてしまう
これも恋愛症候群の一環なのか…?
何て、ガラにもねぇこと考えてみる
5.水しぶきに息をはずませ
「もうこんな時間かよ…そろそろ帰らねぇと…」
時刻は四時半
今からシャワーも浴びたりするのでそろそろプールから出なくてはならない
今や1人でも水と戯れているの姿を目で追った
よくもまぁ飽きもせずに遊べるもんだと感心した
すでに一時間ほどに自分はおいてけぼりにされ、暇は暇だった
でも、いつナンパがを誘うやもしれない状況だけに目を離せずにはいられなかった
がこちらを見て、宍戸の手招きに気づいた
「何?」
「そろそろ帰るぞ」
「えー…もう?」
「もうって…。お前、髪乾かすのとか時間かかるだろ?ほら」
手を引いてやると渋々ついてきた
まだまだ遊び足りない様子な
日に日に自分が保護者のような気分になってくる
「じゃ、一時間後にね」
「おう」
男湯と女湯の前で別れる
のれんをくぐっていったを見送って自分もシャワーを浴びようと中に入った
30分後、を待たせまいと早めに出てきた
予想通り、待合室にの姿は無く、携帯でもいじろうかと開いた時、
女湯からが出てきた
「あ、宍戸早い」
「っ…っくりした。は、早いなお前こそ」
「いつも宍戸に待たせちゃってるから」
ふ、と笑みが零れる
さぁ、帰るかと立ち上がろうとするとの髪から雫がたれていた
シャワーを浴びたはいいがちゃんと髪は乾かしていないらしく、ほぼずぶ濡れ状態
「お前…、髪乾かしてねぇだろ」
「えっ…?あ、あぁ…そのうち乾くかなーって…」
「…ばっか。女だろ、お前。ほら拭いてやるから」
宍戸とは思えないほど強引な力で腕を引っ張られる
さすがにドライヤーはないので、タオルで拭くだけだが今よりはマシになるだろう
「っ…い、痛いよ宍戸」
「あ、悪ぃ。加減がわかんねぇんだよな…。これなら痛くないか?」
「…うん」
荒々しくも優しいてつきが宍戸らしくて何だか嬉しくてくすぐったい
宍戸自身も周りの人から見つめられ、視線を宙に彷徨わせていた
「宍戸」
「ん?」
「好き、だからね」
「なっ…。ば、バカなこと言うな!」
「あはは。照れてるー」
赤く染まっていく景色
次にこの時間を一緒にすごすことが出来るのはいつだろう
「また、来ような」
「うん…」
「楽しかったね」
「お前めちゃくちゃはしゃいでたな…」
「楽しかったもん。宍戸と来れたし」
「だからそういう恥ずかしいこと言うなって……」
「ふふ」
また来ようね
「また」は続きを願うコトバ
「来よう」は願いを綴るコトバ
「ね」はあなたと一緒の想いを連ねたコトバ
あとがき
いろいろと、思うところあった時に浮かんだネタなので結末もヒドいスね(笑)
私が書くとどうも宍戸さんは保護者みたいになってしまいます。
これでもまだ普通の恋人風に書いてみたんですが…!
本当は、4話で良かったかもしれない(汗)区切りも良かったし。
何だか5話目は付け足しのような感じがしゃくしゃくです。
これにて一日だけのバカンスは終了。ここまで読んできてくださった方々、ありがとうございました!