「私が消しましょうか?」
「あ、柳生くん!助かるーっ。背が届かなくって」
「では、失礼して」
女生徒が持っていた黒板消しを手に取ると、柳生は手早く黒板を消していった
黒板のほうを向いているため誰も気がつきはしなかったがその時の彼の表情はやたら得意げだったらしい
紳士と呼ばれるその訳を
「柳生ってよぉ、なんでジェントルマンって呼ばれてんだろーな」
「さぁな。本人も誰が言い出したかは知らんみたいじゃ。
そこらへんの女子に良い格好でもして、呼ばれたんじゃなか?」
「柳生先輩、みんなに無駄に丁寧っスからねー」
放課後、部室でテニス部のユニフォームに着替えながら口々に喋る一同
今日の議題は柳生の異名「ジェントルマン」についてらしい
「ワタシがどうかしましたか?」
「どわぁっ!や、柳生先輩・・・っ!いつ入ってきたんスか!?」
「全然気がつかなかったぜ…」
「それはアナタたちが鈍いからですよ、ふふ。ワタシの名前が二回聞こえましたが?」
「(か、数えてたのかよ…)」
さすがにここまで知られていると仕方がなく、全員が話していたことを口にした
三人の話しようにふむ…と相槌を打つ柳生
そのめがねの曇りようからは聞いているのか聞いていないのか全く解らない
「で、どうなんスか?本当に知らないんスかー?」
「知りませんね!そんなことはどうだっていいでしょう。
ですが、ワタシはこの名前を気に入っていますよ!」
「「「…………」」」
なんとも、反応しがたい雰囲気だった
「四人とも、そんなところで何やってるのかな?」
「あ、幸村ぶちょ―!すんません!すぐ戻ります!」
「赤也は、素直でいい子だね。ね、ブン太、ジャッカル」
「お、おう…」
「ブン太!ストレッチ手伝ってやるよ!」
幸村の登場にそそくさと三人は部室を出て行った
赤也など、急ぎすぎてラケットを忘れていったほどである。
そんな三人の様子に幸村は小さく笑って赤也のラケットを届けようと持ち上げた
「柳生も、早く練習に来るように。認めたくはないけれど、君も一応テニス部員だからね。
練習が嫌なら、ゴルフ部に戻ってお父さんみたいな服着てボギー打っててもいいんだよ?」
「そんことは言っていませんよ。では、参りましょうか」
やたら母音が強い言葉遣いに幸村は心のうちで何かを知らせる炎が宿っていた
柳生比呂士は立海テニス部の部員である
元々ゴルフ部でお父さんのような服を着てクラブを振っていたところを
何をどう血迷ったのか仁王が勧誘して入部した
柳生を勧誘したときの仁王は、幸村から勧誘する人々のリストを手渡され、
柳生とは別の人のところへ行こうとした矢先に上から花瓶が数回落ちてきたり、
野犬が飛び出してきたり、濡れ衣で先生にしかられたりするハメになったりを繰り返し、
気がつけば柳生がいるゴルフ場にいたのだ
その日の仁王の記憶はあいまいだったらしい
そして、その日の柳生の様子は極めて不振だったとゴルフ部員のA君は証言している
事件に巻き込まれた、というかあんなやつを連れてきて…と
テニス部員にチラ見される仁王は全く持って可哀想な存在である
だが本人は適当なところで逃げているので、仁王が連れてきたという事実も年々薄れていった
次の日、赤也はいつもより早く学校へ行った
朝練も無い日にこんなに早く登校したのは初めてである
だが、朝早く目覚めてしまった目は二度寝しようにも冴えきってしまっていて、仕方なしに登校、だった
先生に驚かれつつも、テニスコートを通りかかるとボールの音が聞こえてきたので、
ビッグ3が朝練でもしているのかと覗いてみると、そこには思いがけない人物がいた
あとがき
十五分で書けたこのお話…。
夢小説に絶対必要なサイトさんへアクセスできなかったので作ってみました。
変換、ヒロイン要らずってね☆ 実は、続き物…。
私の中の柳生さんはやっぱりおかしいです。