私の彼氏は、私にとても優しいです
          友達は、惚気話と言いますけど、私には深刻な問題なんです
          私の彼が優しいことは










     
優しさ比べ










          「さん、さん!」

          ……おまけに、大型のわんこのように可愛いです

          「今日、宍戸さんに初めてサーブを誉めてもらったんです!」

          ……もひとつおまけに、天然です

          「良かったね、長太郎くん。」

          「はい!あ、そのプリント、半分持ちますよ」







          付き合って、早3ヶ月
          私の想いは見事叶ったのだけれど、また新たな悩みがうまれてしまった





          合同学園祭の運営委員をしてからというもの、その働きぶりを跡部先輩に認められ、
          各委員会からお呼び出しがかかり、今では4つの委員会の委員長を務める私
          おまけに氷帝のマネージャーのレギュラーにもなって毎日忙しいけれど充実している日々を送っている





           月曜日は一つ目の委員会
           火曜日は部活に行って
           水曜日は二つ目の委員会
           木曜日は三つ目の委員会
           金曜日は四つ目の委員会
           土曜日は部活





          与えられた休息日は日曜日のみだったが、それさえも最近では部活に費やしている
          部活の練習は本来ならば毎日あるのだが、跡部もの立場を理解してか、許してくれている






          「ね、長太郎。前も言ったかもしれないけど、何でそんなに優しいの?」
          「え?」






          東に樺地を捜す跡部がいるなら代わりに捜してあげ、
          西に練習相手をさがしている宍戸が居れば、いくらでも付き合い、
          南に眠りこける滋郎が居れば、上着をかけてあげ、
          北にボトルシップが好きなやぎ座のO型の某男子生徒が居れば助けてあげる

          それが氷帝の鳳長太郎だった





          その優しさは計り知れず、勿論彼女であるさえも何処まで優しいかは解らない
          最初は優しい彼氏に満足はしていたが、その優しさもたまにはこちらからしてあげたい時もある





          勿論、長太郎の優しさが好きなのも好きになった原因の一つであるが、
          優しさで長太郎を支えてあげたいときもあるのだ





          「俺が優しくしてるのはさんだけですよ?だって俺が好きなのはさんですから」
          「……殺し文句だね//////」
          「それも、さんだから言えるんです」
          「ね、長太郎。聞いて」
          「…何ですか」






          職員室の近くの廊下で、自分のプリントと長太郎のプリントも机に置いた
          長太郎に背を向けた状態でしばらくプリントを見つめていた

          (……どうしよう、何て言えばいいの?)





          不満というには小さすぎるその悩みには困惑を隠しきれなかった
          それでも、いつまでもこうしているわけにはいかない、と後ろを振り向こうとする





          「長太郎…、重い」
          「すみません、もうちょっとだけ」





          後ろからのしかかる年下の彼の手は、心地良かった
          ――――――大きくて、暖かかくて





          「長太郎、もっとあたしに甘えていいんだよ?」
          「…いつも甘えてますけど?」
          「うん、そうだね。最近長太郎と犬がダブって見えるし」
          「ヒドイなぁ…」





          首をおもいっきり上げれば見なれた長太郎の顔があって、
          少しずつ顔は近づいてくる
          次の行為を察知したは、すんでのとこでそれを止めた





           「ストップ」
           「…これこそ本当にヒドイですよ」
           「首が痛い」
           「じゃあ態勢変えます」
           「変えてもしないよ」
           「……うぅ…」





          落ちこむ長太郎の隙をついて腕から抜け出し、プリントを持つと、勢いよく職員室の扉を開けた
          幸い、担当の先生はいたので、プリントを渡して二三言葉を交わすと元に戻る

          先ほどと同じ場所から動かない長太郎を見つけて、近くに寄り、腕に引っ付くと水を得た魚のように長太郎が動き出す














          「ほら、やっぱり私に優しい」
          「さん、さっきからどうしたんですか?」
          「私がヒドイ事言ってもそうやって喜んでくれる」
          「言ってる意味がよく解らないんですけど…」
          「良いの、わかんなくて」





          ま、良いか。だって、長太郎は、私を好きで、私もそれに負けないくらい長太郎が好きなんだから。





          「でも、絶対に長太郎よりも優しくなってみせるからね」
          「…無理だと思いますよ?さんは意地悪なところが魅力的だから」
          「だから殺し文句は言うな!ポチ!」
          「……うぅ…」












          犬のような彼氏で、根っからの天然ですが、大好きです。

          ――――――ずっと、ずっと










     ☆あとがき

     短い上に何が何だが自分でも解りません。ただ長太郎君!って感じ?
     長太郎くんの夢を求めてサイトさんを放浪していると殆どのサイト様が長太郎くんをわんこ、と呼んでいたので。
     うんうん!と深く頷きながら作った作品。

     でも長太郎くんはおっきいので、大型犬にしておきました(笑)