夢の続き










                 ―――――10月15日、早朝
                 忍足は布団の中でぐっすりと眠っていた

                 いつもならば鬼のように鳴り響く携帯のアラームも今日はお休み
                 いつもならば強い打球をはじき返すラケットも鞄の中でお休み

                 そして深い深い眠りの世界を彷徨っていた










                  「あの子ってば練習ないから言うて昼まで寝てるなんてねぇ・・・」
                  「疲れてたんですよー、跡部ってば鬼みたいに練習量増やしますから」
                  「おい、お前俺が後ろにいることわかって言ってんのか?」
                  「叩き起こしてやっても構いませんから。後でお茶持ってきますね」
                  「あ、お構いなく」

                  夢と現の狭間を彷徨っていると、誰かが階段を上る音が聞こえてくる
                  一人は母だ。そして宍戸妹、跡部・・・三人?
                  いや、それよりももっと大勢の・・・。

                  起きていなければならないような気がしたが激しい睡魔には勝てず忍足は眠りについた


                  一面の花畑で小川の向こうに宍戸妹がいた
                  しきりにこっちに向かって手を振っているその姿を見ながらこれは夢だとすぐに確信した

                  (ちょお待ってぇな!このまんまいったら俺死ぬ展開やん!)

                   夢の中でもツッコミを入れつつ、ふと足元を流れる小川を見て仰天した。
                   小川は跨いで通れるサイズだったのだ

                   「しかも普通に渡るとか渡らんとかいう問題とちゃうし・・・」
                   「侑士、お誕生日おめでとう!誕生日プレゼントあげるねー」
                   「ゆ、侑士・・・!?ちゃん俺のこと『おっしー』て呼んでなかった?」
                   「ヤだなぁ、何言ってんの!前から侑士って呼んでるじゃん!」

                   べし、と背中を叩かれて次いでボキという音が聞こえた
                   一瞬ギョッとしたが夢の世界なので折れるということもないらしい

                   「で、プレゼントなんだけどね。何が良い?今日は出血大サービスでおっしーのお願いを何でも聞いてあげます」
                   「おっしーに戻ってるやん・・・」
                   「ま、いいからいいから。細かいことは気にしない!で、何がいい?」

                   この展開の早さといい、風貌といい、正真正銘この子は宍戸だと思った
                   そして水面下から忍足の感情が浮かび上がった

                   「何でもしてくれるし、何してもええんやんな?」
                   「うん。いいよー」
                   「ほんなら、ちゃんの頬にキスしてもええか?」
                   「良いよ?」

                   正直耳を疑いたくなった
                   いつもならば

                   「何言ってんの!おっしーってば!///」
                   「忍足、テメェ俺の女に何させようとしてんだ、アーン?」
                   「侑士ー、止めろって言ってるだろー」
                   「はっきり言ってセクハラですよ」
                   「ウス」
                   「忍足さん・・・、駄目ッスよ・・・」
                   「いい加減俺の妹に変なこと教えるのやめろっての!」
                   「ぐーぐー」

                   などのヤジが飛んでくる
                   一部ヤジじゃないのも混じっているが


                   の頬に触れるとそこから伝わってくる温もり
                   夢でも温もりのオプションをつけてくれるなんて中々気の利いたことをしてくれるじゃないか
                   そう思いながらの髪を耳にかけてやった

                    少しずつ近づく顔と顔
                    柔らかい頬に口付けてもう一度寄せようとするとそこで途切れた


                    目を開くと自身の部屋の天井から紐が垂れ下がっていた
                    身を起こして紐を引っ張るとしゅるしゅるという音とともに上から何かが降ってきた
                    小さな色紙やらスパンコールやらが忍足の頭に降り積もった


                    「何や、これ・・・」

                    「何だよ、侑士起きてんじゃん」
                    「やっと起きやがったか。いつまでも俺様を待たせやがって」
                    「何もしてないくせに何言ってんの」


                    目を向ければそこには部屋にすし詰め状態のレギュラー陣+滝+宍戸妹がいた
                    部屋の中央にある小さな机にはこじんまりとしたバースデーケーキがのっており
                    部屋の隅には全員からのプレゼントが置かれていた


                    「お誕生日おめでとー、おっしー」
                    「・・・おおきに。」
                    「とっとと火つけて吹き消せ。俺様はいつまでもこんなに狭い部屋に居る気は無ぇぞ」
                    「悪かったなぁ、狭い部屋で。そりゃこんだけの人数居ったら狭なるて・・・」


                    ベッドを降りてメガネをかけると忍足はの隣に腰を降ろした
                    自分の顔を覗き込むがどうしようもなく愛しくて
                    先ほどまで見ていた夢の続きを望んでしまう

                    触れた頬は夢の世界よりも温かみを帯びていてそっと口付けをすると頬が染まった
                    髪を撫でてやり甘い雰囲気が訪れたかと思えば跡部の強烈なキックによって阻まれた

                    「やって良い事と悪い事があるってこと、わかってんのか?アーン?」
                    「か、堪忍・・・!マジごめんって!」

                    ぎゃあぎゃあと騒がしい氷帝陣から少し離れたところで日吉はぼそりと呟いた

                    「全く・・・いつになったら家に帰れるんだ・・・」

                    家に帰ってTSUYATAでレンタルしてきた古武術のDVDを見るつもりだったのに
                    そんな日吉に鳳は苦笑して、ようやく忍足の誕生日会が幕を開けた





             あとがき
                   やっとup出来たのですが、何の脈絡も無い支離滅裂な夢です。
                   ごめんね、おっしー!でも気持ちは篭ってます!一応!
                   お誕生日おめでとう、おっしー!同じ関西の人間としてたまにその関西弁はどうかと思うけど。
                   おっしーは大好きです!これからも永遠の15歳で居てください。
                   生まれてきてくれてありがとうございます。